コマンドプロンプト 基本操作
コマンドプロンプトとは
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コマンドプロンプトは、Windowsに標準搭載されているアプリ ケーションでテキストコマンドを入力してシステム操作することができます。
- 例えば、ファイルやフォルダを作成、削除、移動、コピーなどがコマンド操作で実行可能です。
- また、タスクのスケジューリング、ディスクのフォーマット、ユーザーアカウントの管理など、様々なシステム管理タスクも実施可能です。
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コマンドプロンプトを使いこなすと、単純な操作はもちろんのこと複雑な操作も自動化することが可能です。
コマンドプロンプト起動方法
- ここではコマンドプロンプトの起動方法について説明します。
- Windows11
- Windows10
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タスクバーの検索ボックスにて「
コマンドプロンプト
」と検索すると「コマンドプロンプト」が表示されるので選択して起動します。 -
すると以下のとおりコマンドプロンプトが起動されます。
- 画面に表示されている文字は環境によって異なります。
コマンドプロンプト画面の見方
- ここではコマンドプロンプト画面の見方とコマンドプロンプトの操作方法について説明します。
- Windows11
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コマンドを実行するときに見るべき場所は、下記イメージの赤枠部分です。
>
より左部分は現在のフォルダパス(=カレントフォルダパス)が表示されています。下記イメージだとC:\Users\username
の部分です。>
より右部分は入力コマンドを表示するエリアです。
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ためしにコマンドを入力して実行してみます。コマンドを実行するためには、コマンド内容を入力 → Enterキーを押してコマンド実行 です。
ここでは、cd ..
と入力しEnterキーを押してコマンドを実行します。すると以下のイメージ通りに表示内容が変わったと思います。cd ..
コマンドの意味については後述します。
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赤枠部分が現在行で、ここに今度はコマンドを入力することができるようになりました。
>
より左部分を見てください。カレントフォルダパスが変更されています(1つ前の手順に比べて1つ上の階層に移動している)。
これは1つ前の手順でコマンドを実行した結果、カレントフォルダパスが変更されたことを意味しています。
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次に
ver
と入力しEnterキーを押します。すると以下のとおりの表示になったかと思います。 -
C:\Users>ver
の下に表示されたMicrosoft Windows [Version 10.0.22621.1265]
の部分はver
コマンドの実行結果です。ver
コマンドは「Windows のバージョンを表示する」コマンドです。
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コマンドを実行する場合、コマンドに対してパラメータを指定することができます。
実は前手順で実行したcd ..
の..
部分こそがパラメータになります。つまりcd ..
は「cdコマンドに..
というパラメータを指定して実行している」ことになります。 -
コマンドプロンプトでコマンドを実行する流れについては以上です。
- コマンドプロンプト上の表示を消したい場合は
cls
コマンドを実行することで消すことができます。
- コマンドプロンプト上の表示を消したい場合は
コマンドプロンプト基本コマンド
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本章の内容は、以下の環境で動作確認をしています。
- Windows11
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本章では、コマンドプロンプトを利用する上で最低限把握しておくべき基本コマンドについて解説します。
- 本章の内容は「Windows11」で動作確認をしています。
- この後の説明で出てくるパラメータについてですが、本章では基本的な内容に絞って説明しています。
cd : カレントフォルダ変更
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cd
コマンドは、カレントフォルダを変更するコマンドです。コマンド書式cd [/d] [ドライブ名:][フォルダパス]
パラメータ パラメータ例 説明 /d /d 変更先のフォルダのドライブ名を変更する場合に指定します。 ドライブ名: d: 変更先のフォルダのドライブ名を指定します。 フォルダパス \Windows\System\ 変更先のフォルダパスを指定します。「絶対パス」「相対パス」のいずれも指定可能です。
親フォルダに変更したい場合は..
を指定します。 -
パラメータに「絶対パス」を指定し実行するとカレントフォルダが絶対パス指定したフォルダに変更されます。
C:\work>cd c:\Windows\System\ C:\Windows\System>
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パラメータに
..
を指定し実行するとカレントフォルダがひとつ上の階層に変更されます。C:\Windows\System>cd .. C:\Windows>
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パラメータに
/d D:
を指定し実行するとカレントフォルダがDドライブに変更されます。C:\work>cd /d D: D:\>
dir : ファイル/フォルダ一覧表示
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dir
コマンドは、指定したフォルダ内のファイルやフォルダを一覧表示するコマンドです。コマンド書式dir [/b] [ドライブ名:][フォルダパス]
パラメータ パラメータ例 説明 /b /b ファイル名のみを表示します。 ドライブ名: d: 一覧表示するフォルダのドライブ名を指定します。 フォルダパス \Windows\System\ 一覧表示するフォルダパスを指定します。「絶対パス」「相対パス」のいずれも指定可能です。
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「パラメータなし」で実行するとカレントフォルダ内のファイルやフォルダが一覧表示されます。
実行内容dir
実行結果2023/01/01 01:00 <DIR> . 2023/01/01 01:00 <DIR> .. 2023/01/01 01:00 <DIR> temp1 2023/01/01 01:00 <DIR> temp2
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パラメータに「絶対パス」を指定し実行すると絶対パスで指定したフォルダ内のファイルやフォルダが一覧表示されます。
実行内容dir \work\temp\
実行結果2023/01/01 01:00 <DIR> . 2023/01/01 01:00 <DIR> .. 2023/01/01 01:00 <DIR> sample
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パラメータに
/b
を指定し実行すると、指定したフォルダ内のファイル名のみが一覧表示されます。実行内容C:\work>dir /b
実行結果sample.txt sample2.txt
tree : ファイル・フォルダ階層表示
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tree
コマンドは、指定したフォルダ内のファイルやフォルダを階層表示するコマンドです。コマンド書式tree [/f] [ドライブ名:][フォルダパス]
パラメータ パラメータ例 説明 /f /f ファイル名も表示対象にします。 ドライブ名: d: 階層表示するフォルダのドライブ名を指定します。 フォルダパス \Windows\System\ 階層表示するフォルダのパスを指定します。パスには「絶対パス」「相対パス」を指定できます。 -
「パラメータなし」で実行するとカレントフォルダ内のフォルダが階層表示されます。
実行内容tree
実行結果C:. ├─temp1 │ └─temp12 └─temp2 └─temp21 └─temp211
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パラメータに「絶対パス」を指定し実行すると絶対パス指定したフォルダ内のフォルダが階層表示されます。
実行内容tree \work\temp1
実行結果C:. └─temp12
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パラメータに
/f
を指定し実行すると、指定したフォルダ内のフォルダに加えファイル名も階層表示されます。実行内容tree /f
実行結果C:. └─temp1 │ sample.txt │ sample2.txt │ └─temp12
mkdir : フォルダ作成
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mkdir
コマンドは、指定したフォルダを作成するコマンドです。コマンド書式mkdir [ドライブ名:]フォルダパス
パラメータ パラメータ例 説明 ドライブ名: d: 作成するフォルダのドライブ名を指定します。 フォルダパス \Windows\System\ 作成するフォルダのパスを指定します。パスには「絶対パス」「相対パス」を指定できます。 -
パラメータに「フォルダ名」を指定し実行すると指定したフォルダ名が作成されます。
- コマンド実行前後の
tree
コマンドでフォルダが作成されていることが確認できます。
C:\work>tree サブフォルダーは存在しません C:\work>mkdir temp C:\work>tree C:. └─temp
- コマンド実行前後の
rmdir : フォルダ削除
-
rmdir
コマンドは、指定したフォルダを削除するコマンドです。rmdir
コマンドは (ファイルが格納されていない)空フォルダ以外は削除することはできません。
コマンド書式rmdir [/s] [/q] [ドライブ名:]